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電子的診療情報連携体制整備加算の届出方法と必要書類【2026年5月期限】

電子的診療情報連携体制整備加算を2026年6月1日から算定するには、2026年5月7日から6月1日までの期間に、管轄の地方厚生局へ施設基準の届出を提出する必要があります。旧加算からの自動移行はないため、改めての手続きが必要です。本記事では、届出の具体的な手順、必要書類、電子申請(G-MIS)の活用方法、よくある不備への対策まで、個人クリニック向けに整理します。

重要な注意事項(届出期限)

2026年6月1日からの算定開始を希望する場合、届出期限は2026年6月1日(月)必着です。ただし、5月下旬は全国の厚生局窓口が混雑するため、可能な限り2026年5月18日(月)までの提出が推奨されています(東海北陸厚生局発表)。余裕を持った準備が必要です。

この記事のポイント

届出は管轄の地方厚生局に提出します。紙での郵送提出と、保険医療機関等電子申請・届出等システム(G-MIS)経由の電子申請が選択可能です。押印は不要となっており、届出後の受理番号は各厚生局のウェブサイトで確認する運用に変更されています。旧加算との重複算定不可のため、6月1日以降はレセコン設定の見直しも必要です。

目次

届出が必要な理由と基本ルール

電子的診療情報連携体制整備加算は、「施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」に対して算定が認められる加算です。つまり、施設基準を満たしているだけでは算定できず、届出が受理されることが必須条件となります。

旧加算からの自動移行はない

2026年5月31日に廃止される旧「医療DX推進体制整備加算」および「医療情報取得加算」の届出は、新加算へ自動移行されません。旧加算を算定していた医療機関でも、新加算の算定を希望する場合は改めて届出が必要です。

旧加算で提出していた書類の内容が参考になる部分はありますが、新加算の施設基準は別物のため、新制度用の様式で改めて提出する必要があります。

届出先は管轄の地方厚生局

届出先は、保険医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局です。全国は8つの厚生局で管轄が分かれています。

厚生局 管轄都道府県
北海道厚生局 北海道
東北厚生局 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島
関東信越厚生局 茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・長野
東海北陸厚生局 富山・石川・岐阜・静岡・愛知・三重
近畿厚生局 福井・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山
中国四国厚生局 鳥取・島根・岡山・広島・山口
四国厚生支局 徳島・香川・愛媛・高知
九州厚生局 福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄

各厚生局のウェブサイトで、最新の届出様式をダウンロードできます。各都道府県に事務所が置かれており、提出窓口は自院の所在地を管轄する事務所となります。

届出期限と推奨スケジュール

届出期限の原則は以下の通りです。

  • 提出期間:2026年5月7日(木)〜6月1日(月)(必着)
  • 推奨期限:2026年5月18日(月)まで
  • 算定開始日:2026年6月1日(届出が受理されている場合)

5月18日の推奨期限は、東海北陸厚生局がウェブサイトで明示している目安で、「5月下旬以降は窓口が混雑するため」とされています。他の厚生局でも同様の混雑が想定されるため、5月第3週までの提出が安全です。

届出の方法(紙申請と電子申請の選択)

届出には、紙による郵送提出と、保険医療機関等電子申請・届出等システム(G-MIS)経由の電子申請の2つの方法があります。

紙申請(郵送または持参)

従来からの方法で、届出書と添付書類を印刷・記入し、管轄の地方厚生局へ郵送または持参で提出する方法です。

紙申請の主な特徴

  • 全ての届出に対応(電子申請非対応の届出も含む)
  • 押印は不要(令和3年2月以降)
  • 提出前に各ページの記載漏れや書類の順序を確認
  • 控えを必ず医療機関で保管

電子申請(G-MIS:保険医療機関等電子申請・届出等システム)

厚生労働省が運用する保険医療機関等電子申請・届出等システム(G-MIS)を通じて、ウェブ上で届出を完結できる方法です。2026年1月26日時点で、電子申請が可能な施設基準の届出は324届出まで拡大されており、新加算も電子申請に対応する見込みです。

電子申請のメリット

  • 郵送の手間と費用が不要
  • 過去の受理済み届出情報をコピー可能
  • 複数届出をまとめて申請可能
  • 受付状況をシステム上で確認可能

電子申請の前提条件

G-MISの利用には、事前にユーザーID・初期パスワードの発行が必要です。オンライン請求を利用している保険医療機関には順次一斉発行されていますが、未受領の場合は厚生局から発行申請が可能です。

電子申請の利用開始

G-MISのユーザーID・初期パスワードを未受領の場合、「様式1_利用開始・再通知届出」を厚生局のメールアドレスに送付することで発行を受けられます。初回利用時には操作に慣れる時間も必要となるため、電子申請を選ぶ場合は4月中にユーザーID取得を済ませておくことが推奨されます。

紙申請と電子申請の選び方

どちらの方法を選ぶべきか、判断の目安を整理します。

項目 紙申請 電子申請(G-MIS)
初期設定 不要 ユーザーID取得が必要
提出の手間 郵送・持参 ウェブで完結
今後の継続申請 毎回書類作成 過去情報のコピー可
届出可能な範囲 全て対応 324届出(2026年1月時点)
推奨される医療機関 IT操作が不慣れな医療機関 オンライン請求利用中の医療機関

今後も継続的に施設基準の届出を行う予定があるなら、今回の届出を機にG-MISの利用を開始するのが効率的です。一方、初回ということもあり、確実に受理されることを優先するなら紙申請も選択肢となります。

届出に必要な書類一覧

届出に必要な書類は、加算区分(加算1・加算2・加算3)によって一部異なります。以下に整理します。

全加算区分で共通して必要な書類

加算1〜3のすべてで共通して必要となる基本書類は以下の通りです。

  • 電子的診療情報連携体制整備加算の届出書(施設基準に係る届出書)(地方厚生局所定様式)
  • 届出書添付書類(施設基準の各項目への適合を示す資料)
  • マイナ保険証利用率の実績資料(支払基金通知または医療機関等向け総合ポータルサイトの画面)
  • オンライン資格確認の運用を示す資料(顔認証付きカードリーダーの設置状況等)
  • 院内掲示の実施状況を示す書類(院内掲示物の写真またはコピー)
  • 自院ウェブサイトの掲載画面のスクリーンショット(ウェブサイトを運営している場合)
  • マイナポータル情報に基づく健康管理相談体制の資料(体制の運用方針書等)

加算1・加算2で追加で必要な書類

加算2または加算1を算定する場合、追加で以下の書類が必要です。

加算2の追加書類(いずれか1つ)

  • 電子処方箋の発行体制を示す資料(電子処方箋管理サービスの接続証明等)
  • 電子カルテ情報共有サービスの活用体制を示す資料、または地域医療連携ネットワーク参加を示す資料

加算1の追加書類(両方)

  • 電子処方箋対応の資料と、電子カルテ情報共有サービス活用または地域医療連携ネットワーク参加を示す資料の両方

電子カルテに関する要件書類

新加算の施設基準には、電子カルテの要件も含まれています。以下のア〜ウの全てまたはエを満たす電子カルテを導入している必要があります。

  • :厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制
  • :電子処方箋管理サービスとの接続インターフェースを有している
  • :電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースを有している
  • :厚生労働省が認証する電子カルテ製品である

導入している電子カルテがこれらの要件を満たしているかは、ベンダーに確認することが推奨されます。2026年4月時点では、「厚生労働省が認証する電子カルテ製品」の具体的リストは公表されていないとされています。

届出書の記載項目と注意点

届出書の記載にあたって、実務上注意すべきポイントを整理します。

医療機関情報の記載

届出書の冒頭には、以下の医療機関情報を記載します。

  • 保険医療機関の名称
  • 所在地(郵便番号含む)
  • 開設者の氏名
  • 保険医療機関コード
  • 電話番号(連絡担当者)
  • 届出責任者(開設者または管理者)の氏名

保険医療機関コードは、診療報酬請求書やオンライン請求の際に使用しているコードで、間違いのないよう慎重に記載する必要があります。

加算区分の選択

届出書には、加算区分(加算1・加算2・加算3)のいずれを届け出るかを明示します。自院がどの区分を届け出るかは、施設基準の充足状況によって決まります。

加算区分の判定フロー

電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの両方に対応していれば加算1、いずれか一方のみであれば加算2、共通要件のみ満たしていれば加算3を選択します。判定に迷う場合は、記事「電子的診療情報連携体制整備加算とは?」で詳細を確認できます。

押印不要とファイル形式の注意

届出書は、令和3年2月1日以降、押印が不要となっています。紙申請の場合でも、開設者の署名だけで足ります。

電子申請の場合、PDF形式で書類を提出するケースが多く、写真類(院内掲示等)はJPGまたはPDFに変換して添付します。添付書類の容量制限に注意し、圧縮が必要な場合は画質を保ちつつファイルサイズを調整します。

控えの保管義務

地方厚生局への届出書は1部のみ提出し、医療機関側で控えを適切に保管することが求められます。控えは、後日の指導・監査時に必要となるため、届出書・添付書類のすべてをコピー(または電子データ)で保管してください。

届出後の受理確認プロセス

届出書を提出した後、実際に加算が算定できるようになるまでの流れを整理します。

受理番号の通知方法の変更

2025年8月1日算定開始の届出以降、地方厚生局から各医療機関への受理番号の郵送通知は廃止されています。現在は、各厚生局のウェブサイト上の「施設基準等の届出受理状況」ページで確認する運用に変更されています。

新加算の届出についても、同様にウェブサイト上での確認となる見込みです。医療機関の担当者は、提出後1週間〜2週間程度を目安に厚生局ウェブサイトを確認し、受理されたことを確かめる必要があります。

不備があった場合の対応

届出書類に不備があった場合、厚生局から連絡が入ります。記載不足、添付書類の漏れ、施設基準の要件未達などが典型的な不備です。

不備の連絡があった際は、速やかに修正・補正を行い、再提出します。6月1日からの算定開始に間に合わない場合、算定開始日が翌月以降にずれ込むため、可能な限り早期の対応が必要です。

算定開始(2026年6月1日)

届出が受理された後、2026年6月1日の初診から加算の算定が可能となります。届出開始日前に算定を開始することはできないため、6月1日以前の初診分に遡っての算定はできません。

旧加算との重複算定を避けるための運用

新加算の施行に伴い、旧加算との重複算定を避けるためのレセコン運用調整が必要です。

2026年4月・5月の算定について

旧「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」は、2026年5月31日まで算定可能です。2026年4月〜5月分の診療については、旧加算を継続して算定することになります。

2026年6月1日からは、旧加算は自動的に算定できなくなり、新加算の届出が受理されている医療機関のみが新加算を算定できます。届出が間に合わない場合、6月1日以降はいずれの加算も算定できない空白期間が生じる可能性があります。

明細書発行体制等加算との併算定不可

新加算を算定する場合、「明細書発行体制等加算(1点)」は別に算定できません。新加算の施設基準に明細書の無料交付が内包されているためです。

現在、明細書発行体制等加算を算定している医療機関は、6月1日以降の運用変更が必要です。レセコンの設定変更をベンダーに依頼し、両加算の同時算定が発生しないよう調整することが推奨されます。

レセコン設定見直しの依頼先

レセコンの設定変更は、導入中のベンダー(メーカー)に依頼するのが一般的です。多くのベンダーは診療報酬改定のタイミングで対応しますが、個別の運用変更(明細書発行体制等加算を算定から外す等)は、医療機関側からの依頼が必要となる場合があります。

2026年5月中旬までに、レセコンベンダーに以下の点を確認することが推奨されます。

  • 6月1日以降の新加算への自動対応スケジュール
  • 旧加算の自動停止タイミング
  • 明細書発行体制等加算との排他制御設定

届出でよくある不備と対策

届出書類の不備で受理が遅れるケースを避けるため、典型的な不備と対策を整理します。

マイナ保険証利用率の証明不足

マイナ保険証利用率30%以上を証明する資料が不足している、または古い月のデータを添付しているケースです。

対策

  • 直近3ヶ月分の支払基金通知または総合ポータルサイトの画面キャプチャを準備
  • 利用率が30%以上であることが明確に示される資料を選択
  • 医療機関名・対象月が明記された資料を使用

院内掲示の証拠写真の不備

院内掲示の写真が不鮮明、または制度要件に対応していない内容のケースです。

対策

  • 院内掲示の全文が読める鮮明な写真を撮影
  • 撮影日を明記した書類を添付
  • 掲示内容が新加算の要件に対応しているか再確認

院内掲示のサンプルは、記事「電子的診療情報連携体制整備加算の院内掲示サンプル【2026年6月施行版】」で加算1〜3別のパターンを確認できます。

ウェブサイト掲載の証拠不足

自院ウェブサイトを運営しているのに、ウェブサイト掲載の証拠(スクリーンショット)が添付されていないケースです。

対策

  • ウェブサイトのURLとスクリーンショットを添付
  • スクリーンショットには撮影日時が表示されるよう準備
  • ウェブサイトがない場合は、その旨を届出書に明記

加算区分と添付書類の不整合

加算1を届け出ているのに、電子処方箋または電子カルテ情報共有サービスの証拠書類が不足しているケースです。

対策

  • 加算区分を選択する前に、全ての要件書類が揃っているかチェック
  • 要件が不足している場合、一段下の加算区分で届出を行う(加算1→加算2へ等)
  • 後日ステップアップする場合は、区分変更の届出で対応

よくある質問

Q. 届出が6月1日に間に合わない場合はどうなりますか?

A. 届出が受理されていない期間は加算を算定できません。旧加算は5月31日で算定終了となるため、6月1日以降は新加算も旧加算も算定できない空白期間が発生する可能性があります。受理されれば翌月以降から算定が可能になるため、不備があった場合は速やかに修正・再提出することが推奨されます。

Q. G-MIS(電子申請)と紙申請、どちらが早く受理されますか?

A. 受理までの時間はどちらも基本的に変わらないとされています。ただし、G-MISでは書類の不備を早期に発見できる仕組みがあり、郵送の往復時間もかからないため、結果的に電子申請のほうが早く受理されるケースもあります。今後の継続的な届出を考えると、G-MISの利用を始めるメリットは大きいと考えられます。

Q. 届出書の押印は必要ですか?

A. 押印は不要です。令和3年2月1日付の保医発0201第2号通知により、行政手続きに係る押印は廃止されています。紙申請の場合でも、開設者の署名のみで足ります。

Q. 加算1で届け出た後、要件を満たせなくなった場合はどうなりますか?

A. 施設基準を満たせなくなった時点で、速やかに区分変更または辞退の届出を行う必要があります。マイナ保険証利用率が30%を下回った場合、電子処方箋が停止した場合などが該当します。不適切に算定を継続すると、返戻や指導監査の対象となる可能性があります。

Q. 最初は加算3で届け出て、後から加算1・加算2にステップアップできますか?

A. 可能です。加算3を取得している状態で、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスへの対応が整った段階で、加算2または加算1への区分変更の届出を行うことで、ステップアップが可能です。段階的な加算取得を計画する医療機関は多いと想定されます。

Q. 届出書類の控えはどのくらい保管すべきですか?

A. 具体的な保管期間の規定はありませんが、診療報酬関連の文書は5年間の保管が一般的とされています。指導・監査時に必要となる可能性があるため、届出書・添付書類のすべてをコピーまたは電子データで保管することが推奨されます。

まとめ:届出の全体スケジュールとチェックリスト

新加算の届出から算定開始までの時系列を整理します。

届出スケジュール・チェックリスト

  • 4月中:自院の加算区分(加算1・加算2・加算3)を判定する
  • 4月中:G-MIS利用の場合、ユーザーIDを取得する
  • 4月中:マイナ保険証利用率30%以上を達成する施策を実行する
  • 4月中:院内掲示を新制度版に差し替え、ウェブサイトにも掲載する
  • 5月初旬:届出書と添付書類を完成させる
  • 5月7日〜5月18日:届出を提出する(推奨期間)
  • 5月中旬〜下旬:厚生局ウェブサイトで受理状況を確認する
  • 5月中旬:レセコン設定をベンダーに確認・調整する
  • 6月1日:新加算の算定を開始する

届出は施設基準の充足を証明する重要な手続きです。不備なく受理されるよう、余裕を持ったスケジュールで準備することが、6月1日からの確実な算定開始につながります。

本記事の情報源

最終更新日:2026年4月20日

執筆時点の情報について:本記事の情報は2026年4月20日時点のものです。届出様式や手続きの詳細は地方厚生局により一部異なる場合があります。最新情報は管轄の地方厚生局の公式サイトをご確認ください。

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免責事項:本記事の情報に基づく判断は読者の責任においてお願いします。当サイトは記事情報の正確性・完全性を保証するものではありません。実際の届出にあたっては、地方厚生局、自院のレセコンベンダー、顧問税理士等の専門家にご確認ください。

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